Interview

“仕組み”を提供する会社であれ。

――最初に、日本エンジニアリングソリューションズの事業について教えてください。

 私たちは、技術人材サービス事業として「オートモーティブ事業(自動車開発)」、「電子デバイス事業(主に半導体)」、そして「IT事業」という3つの分野での成長を目指し、事業を展開しています。

 そして、社員の目指す能力開発や、経験を伴った育成を継続的に行い、お客様のニーズを満たす“仕組みを提供する”ことを事業コンセプトとしています。

――それらの事業を通じて実現したい御社のミッションは何ですか?

 「技術というものは、個々のエンジニアに蓄積されるものである」と私たちは考えています。もし、ある当社のエンジニアがお客様から高いご評価をいただいたとしても、それはそのエンジニア(個)の評価であって、当社への評価ではありません。

 その事実を肝に銘じて、「いつも優秀なエンジニアを提供してくれる」「求めるニーズに対して、他社とはちがう切り口で提案してくれる」など、仕組みについてご評価をいただける会社であり続けることが重要だと考えています。そして、高い社会価値を持つエンジニアを支えるバックオフィスとしてさまざまな仕組みをつくることが、私たちのミッションです。

――そのような企業姿勢が、御社の優位性にもつながっているわけですね。そのほかに、御社ならではの特徴はどのようなものですか?

 3つの事業分野を分離するのではなく、エンジニアが自分の専門技術を活かしながら、分野を跨いで経験や体験を積むことができるのが当社の特徴です。それによって、エンジニア自身がキャリアアップ・キャリアチェンジを実現できるとともに、よりハイレベルな技術をお客様に提供できる環境を整えています。

 これらの取り組みの成果に加え、スピーディーかつ誠実な対応を積み重ねて、おかげさまで全国の多くの企業様からご依頼をいただいて成長を続けています。

“意識”することを大切に。

――事業や業務を行ううえで大切にしていることは?

 私たちが物事を考えるうえで最も大切にしているのは、常に「仮説と検証」という意識を持って物事を捉えることです。なぜなら、「この原因から、この事象が発生する」という因果関係に基づく“論理的思考(ロジカルシンキング)”に重きを置いているからです。

 この論理的思考によって、自ら問題点や課題に気づき修正・改善ができる「自浄作用」と、「再び同じ結果が出せる、類似事象にも応用・対応ができる「再現性」を高めることができます。

――そのような考え方が社内に浸透しているからこそ、個々の社員の成長だけでなく、企業としての成長も実現できているということですね。ほかに心がけていることはありますか?

 感性的な部分で、3つの点を意識することを大切にしています。
 1つ目は、『やりたいことを実現するためには、その前にやらなくてはならないことをやり遂げる必要がある』ということです。
 単に「これがやりたい」というだけではなく、「そのために何をやらなければいけないのか」を考えるスタンスが必要だと考えています。

 2つ目が、『思考と感情の一致』です。
 たとえば、子どもが「勉強しなさい」と親御さんや先生に何度も言われたとします。「勉強しなくてはいけない」ということは頭では理解しているし、「その通りだ。それは正しい」と思ってもいます。しかし、実際には勉強しないでゲームをする、遊びに行くなど……で、結局「やらない」し、「できない」ということになります。
 「それは正しい」と思っていても、感情で「やろう」と思わなければ、行動には反映されないということです。つまり、感情で“同意”して初めて実現に向けて進めるということです。

――確かに、それは大人にも当てはまりますね。

 そうです。物事を動かし、成し遂げるには、思考と感情を一致させることが大切だと思います。

 そして、3つ目は、『きっとできる』と信じる』ことです。
 私は、人間は誰しも思ったことを実現する力を持っていると考えています。ですから「“きっと”できる」と思って動く必要があるのです。逆に「“どうせ”できない」と思ってしまっては、その「できない」という思いを実現してしまうということになってしまうからです。

社員の“最上の人生の一部”に


なりたい。

――社員の皆さんに対する想いを教えてください。

 私たち日本エンジニアリングソリューションズは、一緒に働く社員にとって“最上の人生の一部”になりたいと考えています。「当社での経験や体験を通じて培ったものを、さらに向上させていくことで、より幸せな人生、最上の人生を実現してほしい」というのが、私たちの想いです。

――その想いを実現するために、どのような取り組みを行っているのですか?

 たとえば、「社員たちに対して、成長する機会と活躍する場所を提供し続ける」という当社の使命を通じて、社員それぞれが自分の夢や目標を実現する喜びを重ねながら、日本中、世界中の多くの方と関わって良い経験・体験ができる環境づくりを行っています。

 そして、世の中のエンジニアの方々が「日本エンジニアリングソリューションズで働けば、いい経験や体験ができる」「この会社で働いてキャリアを磨きたい」と思ってくださる企業になることで、お客様のさらなるニーズにお応えできるハイクオリティな人材を提供していきたいと考えています。

労働者不足を打開する、


新たな“働き方”を創出。

――御社が思い描く“未来”について教えてください。

 エンジニアをはじめ、働くひとたちがより多くの経験や体験ができる社会をつくるために、当社はいままでにない多様な“働き方”をつくっていくことをミッションの一つに掲げています。

 今後、さらに労働者不足が深刻化する日本において、海外からの人材に頼るしかないという実情があります。しかし、働き方を工夫することで、国内の限られた人材の有効活用が可能です。そこで、私たちは『フリーランス型社員』という働き方を考案しました。

――それは、どのような働き方ですか?

 私たちが多くのエンジニアの方と接するなかで、「組織に縛られず、フリーランスとして働きたい」という方がたくさんいらっしゃいます。しかし、組織に属していなければ、たとえば「住宅ローンの審査が通りにくい」といった社会的なステータスを確保できないのが現状です。

 このような状況を打開するために、「当社の社員でありながら、フリーランス的な働き方やギャランティの決め方などができる」という雇用スタイルを創出します。そして、優秀なエンジニアと技術力をお客様に提供できる体制をさらに強化していきます。

ほかにはない


“ユニークなもの”


を生み出す。

――『フリーランス型社員』は、働く方々だけでなく、人手不足で悩んでいる企業にとっても大きなメリットがありますね。

 そうです。また、少子高齢化によって今後も増加し続けるシニア層の雇用促進も計画中です。「年齢制限で、人材募集に応募できない」「シニアだからという理由で働けない」という既存の文化を変えていきたいと考えています。

――「シニア層が増える=就業機会を失う人たちも増加する」という現実問題を解決すると?

 はい。人生において、チャンスは何度もあります。しかし、欧米諸国に比べて日本は“セカンドチャンス”が少ないと感じています。

 フリーランスになっても、安心して働ける。シニアでも、現役で仕事を続けられる。1つのキャリアを継続できなくなっても、経験を活かしてキャリアチェンジできる。そのようなチャンスが誰にでも、何度でも与えられる世の中をつくることも、私たちの目標です。
 “所属”という意識が薄くなった時代の新しい働き方など、日本エンジニアリングソリューションズにしかないユニークなものを生み出していきます。

地域との“つながり”を築き、


社会に貢献を。

――御社の今後の目標を教えてください。

 当社はまだ発展途上の、“半人前”の状態です。「企業は収益を上げて半人前で、社会に何らかの貢献ができて一人前」と私は考えています。ですから、今後も自社を成長させていくなかで、拠点を構える全国のエリアで地域社会に貢献することも当社のミッションです。

 金銭面での貢献だけでなく、たとえば「子どもたちに技術を体験していただくイベント」といったサイエンスに興味を持つ機会づくりや、町おこしへの協力など、さまざま面で地域社会とのつながりを築いていきたいと考えています。

――それに伴って、企業規模も拡大していこうとお考えですか?

 もちろん、社会貢献を行うためには、それなりの企業規模や安定基盤が必要です。しかし、私たちはいたずらに企業規模を大きくするのではなく、着実な事業展開を行って社会やお客様に対してより貢献できる企業を目指していきます。その結果、皆様からの信頼を得ることで、企業規模も含めてさらに成長し、さらなる貢献ができるはずです。

 今後とも当社をご愛顧いただきますとともに、まだまだ若いこの会社を一緒につくり上げていっていただければ非常にありがたいと考えています。